小噺 : ブラワヨ駅の殺気を感じる雰囲気にたじろいだ

ずいぶん前にジンバブエのハラレという町からブラワヨに到着したことをメモしたのですが、列車の到着時間が遅れたとは言っても明るい時間なので恐れることもなく駅の外へ出ました。ちなみにこの辺りの駅はどこも出入り自由でホームには誰でも入れる状態ですね。「改札なにそれ」です。それもどーかと思いますが…。

列車を降りた時は特筆すべき雰囲気でも無かったのですが、駅舎の外に出てちょっと構えました。とにかく物凄い人だかりで写真を撮るのもはばかるほど。駅前ロータリーには3台の観光バスまで停まっていて「はなにごとイベント」という人、人、人。下の写真はこっそり撮ったものです。到着した時は、この場所が人で埋め尽くされておりました。

だいぶ減った状況ですが駅舎屋根下は長蛇の列…

たぶんこの地に降り立った何人もの日本人が「なーーんもない平和な駅」というイメージだと思います。私もご多聞に漏れず列車から望む「あー、あれが火力発電所かー。そろそろブラワヨ駅の近くだなぁ」ぐらい呑気だったのですが、下車後はあまりの殺気にそそくさとその場を後にして駅前商店街へ移動しました。この時「今日は…慈善事業団体が料理でも振舞ってるのかなぁ」なんて思っていました。奥に写る白いモノは仮設テント。

皆様ご存知ブラワヨのシンボル的発電所。たぶん…撮影禁止だと思う…。

歩いて2-3分で商店街です。

駅の通用口から正面に写る商店街へトボトボと…

とは言っても日本の地方のシャッター商店街に勝るとも劣らない廃れようです。

ここで焼きトウモロコシなどを買い、その場で食べながら暫し状況把握に努めておりました。ただね、この日は平日だというのに本当に雰囲気がピリピリしてましてね、ちょっと疲れました。

この商店街の真ん中辺りに寂れたプールバーがあるのですが、真昼間からビールで酔っ払った方がビール瓶片手に店の外に出てきて私を遠目で挑発するんですね。で、ちょっとお下品に中指を立てて「Fuck you」といった奇声をあげてニヤニヤしている怖さ。総じてアフリカの人は昼夜問わずビールを飲んでいるシーンに出くわすことが少ないせいもあってか、ちょっと引き気味。

もーね、中年オジサンでも「この雰囲気は良くないなぁ」なんて思うわけです。

でね、やはりアジア人が頻繁にウロウロするような場所でも無いでしょうし、目が合えばなんとなく会話がスタートするわけですが、皆様テンション高めで…「この場所、長居したくないなぁ」なんて思ってはみるものの「中心部までこの調子だとそれはそれで嫌だなぁ」と思っておりました。町の中心部まで歩いて行くことも可能ですが雰囲気に呑まれて疲れるパターンもチラッと妄想していたと思います。

ということで、そそくさと駅に戻りました。

本当はね「Bulawayo Railway Museum」でも冷やかそうかと思っていたのですが、その至近距離に行くのも躊躇する人だかりだったんです。本当に。駅の真横だというのに。

後日よくよく地図を見たらホーム内から線路伝いに移動出来たような気がします。あちらの方々は平気で線路を歩いているので私が歩いても行けたかも…。

ということでよく分からない状況だったのですが、2時間ほど人目につかない場所で佇んでいるとなんとなく騒ぎが沈静化した様子で辺りも少しずつ静かになり少し駅舎内をウロウロしておりました。

真っ新の貨物車両と客車。

でね、そのうち駅員もその辺に座ってご飯を食べ始めたんですね。どうやら駅舎正面でかなり豪華な料理が振舞われていた感じです。とても美味しそうでした。

でもね、本当に現地の人しかいないから何が起こっているのかよく分からなくてサッパリ様子が掴めなかったので暫し曲でも聴きながらリラックスしていたら、1人の若者が声をかけてくれてくれました。

現実逃避中

しかしね、言ってることがにわかには信じ難いことを喋り出すんですよ。

その若者曰く「今日はすごくハッピーで特別な日だよ。大統領が来てて、これからブラワヨの町は発展するんだ。見てよ、あの列車。綺麗でしょ。新品だよ。皆んなでお祝いしてるからちょっと騒がしいけど…ところでお前どこから来て何してんの…」みたいな。

急に「大統領が来てる」とか言われてもね…。

確かにムガベ大統領が失脚して副大統領が昇格したことは知っていましたけど、新大統領の長ったらしい名前は覚えておらず…そもそも「こんな場所に大統領が現れる?」と思っておりましたが、若者がニコニコしながら話してくれますし、なんとなく様子も「そうなのかなぁ」と思わせる雰囲気だったりしたものでフムフムと相槌をうっておりました。

が、この情報は事実でございました。

その2日後、ふとこのことを思い出して何人かの人に「今の大統領ってどーよ」的会話をしていたら「結構頑張ってる感じ。つい最近もブラワヨで鉄道がどーたらこーたらやってた」とか言うわけです。ホンマかいなと思って調べるとホンマでした。



Zimbabwe’s Mnangagwa salutes rolling stock deal with Transnet

PICS: Zimbabwe’s Mnangagwa salutes rolling stock deal with Transnet

チラリとかい摘んでコピペしますと…

〜✴︎〜

Transnet and a South African-based consortium of Zimbabwean investors — the Diaspora Infrastructure Development Group (DIDG) — delivered rolling stock to the NRZ to “strengthen regional integration, trade and the recapitalisation of the Zimbabwean railway programme,” South Africa’s Transnet said in a statement.

The six-month lease agreement includes seven locomotives, 151 wagons, five passenger coaches, one kitchen car, and one power car. …..At least 5,000 people gathered on Wednesday and ululated as Mnangagwa walked into the venue.

〜✴︎〜

経済強化のために7台の機関車、151台の貨物車両、5台の客車、1台のダイナー、1台の電源(発電)車を6ヶ月リースで稼働させ、ブラワヨをハブ化する…みたいなこと書いてますよね。

私はこのイベントの最高潮に到着し、大盛り上がりの最中に駅前を歩いたので様子も分からずしどろもどろの状況だったわけです。もう少し早く気付けば食事の配給に並んだと思いますが、それだけ自分の旅に対する感性が錆びてるんですね。冒険心や探究心が欠けておりました。

それで1番線ホームに新品の車両が停まっていたわけです。なるほど。確かに若者が客車バックに写真を撮っていたことを思い出し「あぁ、それで記念撮影してたのかぁ」なんて納得しておりました。

ということで、ブラワヨ駅は平時は平和な場所だと思いますが、たまたま偶然イベントに鉢合わせし、いい歳こいた中年が雰囲気に呑まれて後ずさりするも、「ジンバブエは頑張るぞ」イベントだったメモでした。

NRZ(National Railways of Zimbabwe)のピッカピカの客車。手垢ゼロ。

でもね、先のサイトにも書いてますけど5,000人近い人が居る場所ってね、結構怖いですよ。その中にアジア人が1人ポツンですから。



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