この手の情報はネットで探し当てて辿り着くしかないのですが、近隣国と違い予備知識ゼロなので何を信じどう手配したらよいのか悩むことと思います。というか私はかなり悩みました。とは言っても今回の手配は全て同行者任せ。お陰で楽をさせていただきました。
が、私、若かりし頃は「旅がお仕事」という社会経験があるので一応自分でも現地リサーチしてみました。
旅行会社「Summit 2 Sand Safaris」
キリマンジャロ登山の殆どはモシ(Moshi)という町に滞在します。この町の旅行会社で手配するのが手っ取り早いのですが、バディによりますと2-3社検討した結果選んだ旅行会社が「Summit 2 Sand Safaris」でした。この会社は過去にも大勢の日本人がお世話になっている旅行会社のひとつです。
しかし冷静にグーグルマップを見ると旅行会社が20社近くあるので、どの会社に申し込んでも似たような内容になるわけですが、結論から言ってこの会社を選んだ眼力はなかなかのもので、よい登山経験を提供してくれました。
もはやキリマンジャロ登山を手配してくれる名物兄貴のひとりと言ってよいであろう存在が、この会社の Mr.David Livingstone 氏。なんという大胆なお名前。親御さんはさぞ情熱を込めて命名されたことでしょう。その名に勝るとも劣らない登山&手配の達人です。詳しくはHPを眺めてお楽しみください。後日別途小噺でも書こうと思います。
登山コスト+チップ
(2018年3月現在)
これね、なかなか書きにくいことですね。
このメモが全てではないのに読んでしまうと「そう書いてあった」的捉え方になりがちです。しかし、情報がないと旅の計画もなかなか進みません。ということで少し幅をもたせてメモします。
私は登山開始日よりも少し早くモシに滞在していたので、お世話になった「Summit 2 Sand Safaris」以外に3社ほど現地リサーチしました。つまり計4社。
今回のように「2人だけ」とか「1人参加」の基本料金は上がり気味でリサーチ価格幅は「1,350-1,500US$/PP(per person)」でした。人数が4人、5人と増えれば割安になるのですが、全ての旅行会社が開口一番「1,200US$/PP」と答えました。人数が10人ぐらいになると多少の交渉余地もある雰囲気に感じました。しかしこの値段も年々値上がりすると思います。入山料然り、登山費然り、思い立ったら早く楽しんだ方がコスト負担も減ります。
この基本料金にはキリマンジャロ国立公園の入山諸費用、食材調達&調理費、ガイド費、ポーター費、前後泊費など諸手配費用が含まれています。ちなみに今回の5泊6日マチャメルート入山諸費用は「825US$/PP(2018年2月為替レートで約92,000円相当)」でしたから旅行会社のコストは入山料を引いた額ということになります。ちなみに入山料は各登山口ゲートでクレジットカード(visa or master)で個人が直接支払うことになります。※デビットカードは使えません。
ちなみにこの入山諸費用の明細は、例えば1日あたり70US$/PP、キャンプ費が60US$/PN、レスキュー費用20US$/PDといった規定コストの掛け算。国立公園の決められた額を払うだけです。
仮に基本代金が1,200US$だとしたら、旅行会社へ支払うのは入山料を引いて374US$ということですね。こう見るとそんなべらぼうな暴利を貪っているような額ではないと思いますが…。
ただ、これにはガイド、ポーター、コックさんへのチップは含まれていないことが多々です。もちろんチップ込みで手配してくれる旅行会社を探すことも可能だと思います。
ちなみに今回は「チーフガイド1名、サブガイド1名、コック1名、ウェイター1名、ポーター6名」の合計10名と日本人2名という布陣。今回特別お世話になった方へは平均価格よりもほんの少し上乗せしてお渡ししました。まさにチップです。総勢12名が6日間山中をテント生活を繰り返しながら家族のように行動すればお互いに心が通じ合うわけで、結果「気は心=チップ」につながるわけです。
チップは下山後に適当なタイミングを見計らって渡しますが、今回は事前に全員の名前と役職を確認し、バディと金額を相談し、登山中にバディが綴った感謝の言葉を書いた手紙と共にポチ袋に入れ、これまたバディが用意した4色ボールペンと共にチップをお渡ししました。ボールペンの準備には恐れ入りました。1人1本ではありますがちょっとした気遣いは場の雰囲気を和ませてくれます。
キリマンジャロ登山経験者の誰もが書かれている通りスタッフの協力なくして登山は成立せず、この10人の面々には感謝の言葉以外にできることはチップを奮発することぐらいです。それが如何にタンザニアの経済感覚から見てズレていたとしても…奮発したくなる気持ちは経験者の多くが感じることだと思います。
先に「仮に旅行代金が1,200US$だったとしたら、旅行会社へ支払うのは374US$」と書きましたが、ここから会社経費、手配に要した時間、10人の登山仲間の手当てや調整、不要な荷物を置くホテルとの関係、送迎のガソリン代やドライバーコスト等々を妄想しますとね…私は「彼らは先進国通貨の奴隷ではない」と感じました。食材なんてモシの町では激安超特価ですが、そのことと新鮮な状態で山上まで運ぶことは別の話し。
私は出発前から「圧倒的他力で処理しないと結実しないことは常識の範囲でお礼したい」気持ちでしたのでチップで揉めることはありませんでした。確かにびっくりするほど経済格差があるのでポーターに渡すチップが大金であることも理解しつつ、そんな小さなことよりもアフリカの次世代を担う有用な使われ方を個人的努力に対してお礼するので純粋に感謝の気持ちを込めてお渡ししました。
マチャメルートの5泊6日だと私見としてチップを含めて総額1,700US$前後が無理のない手配と感じました。
お得に登りたいところですが総額が1,500US$を割る価格だとしたら何かのコストが削られるのは世界共通で人件費。6日間毎日ポーターの奮闘する姿を見るとね…。
いずれにしても色々な旅行会社に問合せし、サービスと内容に納得して申し込み、登頂を楽しい時間にしてくれそうな旅行会社を選ぶのがキリマンジャロ登山最大の難関かもしれません。
登山コストとチップは現地の経済感覚を知らない日本から問い合わせする状態で正しく判断することは不可能だと思いますが、いろんな方の最新情報を参考にしながら旅行計画をお楽しみください。
今から約30年前の旅行ガイドブックを見るとこんなことが書かれていました。
コストと事故とポーターと…
登山の装備
これは手配とは少しズレますが広い意味でコストですので触れときたいと思いますが、結論から言えば登山の装備は全てレンタルできるので手ぶらで乗り込んで挑戦可能ですが、当然レンタルコストが増えますから限度がありますよね。使い慣れた装備が登山に有利ですしね。
で、出発以前に「寝袋は持参する」メモを残したのですが、結果は現地レンタルに変更しました。経緯は追々触れるとし、「旅全体の荷物」と「登山の荷物」を考えますと是が非でも総重量を減らしたかったので現地調達したわけですが、こんなことすら日本で計画する段階では全く予想がつかないことで不安だと思います。が、ご覧の通り…
靴、インナー、アウター、寝袋、ストック、水筒などなど挙げるときりがない…。
こいういお店が小さなモシの町に数件存在しており、それぞれの旅行会社が仲良きお店で調達するわけですが私が調達したモノは3点。登山中の使用感などは別の機会に書くとします。
- 寝袋1つ 20US$
- ストック 5US$
- 2Lボトル 20US$(新品購入)
ちなみに準備した方がよい装備を書き出すときりがないですし、そういう動画やサイトも満載ですので、私が持参して便利だったアイテムのメモです。(一般的なことは富士山の「登山に必要な装備」でまとめてあるようなことですね。)
- 高山病予防の薬
- ウェットティッシュ
- ハイドレーション
- 使い捨てカイロ
- 懐中電灯又はヘッドライト
- (特に女性は)日焼け止めグッズ(帽子、サングラス、リップクリーム etc)
これ以外は一般的登山装備で間に合うと思います。そもそもガイドやポーターは毎日ほぼ同じ装備で挑んでおり、それに対する清潔感を横に置けば日本人装備は贅沢の極み。四季のある日本ですし、山頂アタック日の防寒対策を除けば既に多くの装備品は今ご自宅にあるもので賄えると思います。もちろん雨季や雪の時期の登山装備となれば話は別です。
ちなみに私の荷物は旅全体で「60Lと15Lのリュック」で収まる内容で、この60Lの重さは14kgでした。
ということで、キリマンジャロ登山手配を調べると幾つかの旅行会社に絞られると思いますが、その中で一番良さそうなものを選んで挑戦されてください。
最後に今回私たちがお願いした「Summit 2 Sand Safaris (FB)」が安いかというと、特別安いわけではなく、たぶん平均的か、若しくは少し高いかもしれませんがサービスは大満足でした。あえてネガティブなことを書くとすれば終始手配のやりとりに応じてくれたデイヴィッド氏。つぶらな瞳のナイスガイです。本当に。
ただね、出発前のメールでのやりとりに関し、登山知識が乏しい者からすると「あまりにもアバウトな情報で判断できない」返信文が4-5回はあったと思います。もうね、ある意味ベテランですからその辺の細やかさの配慮に欠けているかと…。しかし現地で会話すれば全て解決します。
デイヴィッドさん、ツボはかっちり押さえた手配をしてくれました。感謝。
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