深夜特急 : ブラワヨ – ビクトリアフォールズ 寝台列車の旅

アフリカ

ハラレ(日曜発)からブラワヨ(月曜着)へ移動するためにハラレ駅に行った時、窓口の方が「ビクトリアの滝へ行かないのか?」と聞かれ「もちろん行くよ」と答えたら「月曜に列車で行けるぞ」と言われ、思わず勢いで予約していました。

深夜特急 : ハラレ - ブラワヨ 寝台列車の旅
国内外に関係なく(寝台)列車の旅を贅沢に感じるタイプなんですが、「せっかくアフリカまで行くんだし1回ぐらいは鉄道旅行してみよう」ということで乗ったのがジンバブエ国営鉄道(ZRN : National Railways of Zimbabwe...

とはいっても切符自体はハラレからビクトリアフォールズまで通しで使えるようになっており、手に持っているのはハラレ駅で買った1枚(の紙)だけです。まあ2日分の宿代が合計24US$で済みますから経済的です。当然ブラワヨでは切符を買っていないので、この駅での購入方法などは分かりません。でも駅の様子からして結論から言えば「どーにでもなる」と思います。

ということで2夜連続で深夜特急の旅を楽しむことになりました。とはいっても移り行く景色は前日とほぼ一緒で、とりたてて紹介するようなこともないですが、これはこれで思い出深い旅になりました。

皆さま「車窓からの眺めはブッシュが続くだけ…」というメモが多く、強者アフリカントラベラーからみれば「アフリカのどこでも見られる景色」とは思いますが、私は終始飽きずに眺めていました。確かにブッシュが続きますが、その奥に延々と広がる大地と3Dのような雲を眺めているだけで満足でした。

本当に飽きずに眺めてたなぁ…

基本情報

  • 区間 : ブラワヨ (BULAWAYO) – ビクトリアフォールズ (VICTORIA FALLS)
  • 距離 : 駅の看板によると約451kmらしいです
  • 運賃 : 12US$/pp (SLEEPER車両)

2018年3月現在の「ブラワヨ-ビクトリアフォールズ 」時刻表

 

・プチ情報

込み入った様子は別の機会に触れますが、駅の目の前に商店街があり1-2件食料品を扱っているお店があるので食料調達は可能ですが、置いてあるものは「各種飲料、トースト的なパン、1-2種類の菓子パン、スナック」程度です。現地ではお馴染みの露店ではバナナやミカンも目にしました。

ここから中心部へ移動して食料調達すれば豪華なディナーとなりますが、私は駅の近くで物色して終了。もし私と似たような連続移動で楽しまれる場合、ハラレで調達しといた方が気楽だと思います。

・途中の停車駅で何か調達できないか?

停車時間にもよりますが、多くの駅は駅舎の存在すら確認できないような場所も多々なので期待薄です。仮に売り子さんが登場してもお客さんが多いエコノミーの客車から攻めるので、必要なら大声で呼ばないと悩んでいるうちに列車が発車することもあります。当然ジンバブエの田舎を走るのでジンバブエドルの方が話がスムーズですがUS$でも売ってくれます。

食糧難時の救世主!

このときの移動で目にした売り子さんの食料は「白砂糖が塗してある揚げパン、カレーとチャーハンをミックスしたようなご飯もの、コカコーラ、7Up、オレンジジュース、ミネラルウォーター、バナナ、オレンジ、ゆで卵」でした。

・途中の停車駅で降りられるのか?

ヨーロッパの駅と違って主要駅には駅名が書かれた看板が掲げられているのでスマホの地図で確認しながら「あぁ、この辺に居るんだ」ということは把握できます。この地図アプリはアフリカに関わらず旅人の必須アイテムだと思います。

そもそもノロノロ走っているので走っている最中でも乗り降りできそうですが…停車時間が短いと慌てますが長ければ降りてウロウロできます。といっても何もありませんけどね。背伸びしてストレッチする程度のことです。

でね、既にハラレから乗ってても気づいてなかったのですが列車が発車するときには必ず汽笛を鳴らしてくれます。なーんも心配せず列車を乗り降りできま、客車の扉も「開け放題 & 閉め放題」です。

・ビクトリアフォールズ駅の様子

取り立てて書くことはありませんが到着時の感想は「なんか有名な滝があるらしいけどこの程度なんだ」でした。アフリカの僻地とは行っても見方によっては世界遺産の国立公園の一等地の駅で「この程度なの?」でしたからビジネスチャンスはゴロゴロしてる場所です。もーね、今から乗り込んでもチャンスは山ほど転がっていて、幾らでもアイデアで勝負できると思いました。本当に。

趣のある駅舎だけど…想像してたより地味だったなぁ

一通りパトロールしましたが、他の皆さまが書かれている通りの情報から変化ナシです。

印象に残ったことは「この客車、案外揺れるなぁ…」

これはたまたま乗った車両、ルート、運転手の腕によるところが大きい話しですが、手前に乗ったハラレからブラワヨへの移動はすこぶる快適でした。

再度「鉄ちゃんではないので専門用語も知らないよ」と触れた上で…私の日本での寝台列車経験も全くアテにならない記憶として書きますが、想像していたのは列車が発車するときに客車同士の連結部分が「ガチャン」とか言ってきしむような雰囲気でスタートかなぁ?と妄想していたのですが、全く想像を裏切り走り始めたことに気づけないぐらいソォ〜ッとスタートし、停まる時も同様。

なにより前日は線路が直線の場所が多かったんだろうと想像しますが揺れも少なく感じ、元々どんな状況でも爆睡しますが、この時もバッチリ熟睡しました。

ところがブラワヨからビクトリアフォールズは左右の振り幅が前日よりも激しく「今日はカーブが多いルートなのかなぁ」と妄想していました。もちろん爆睡しましたけどね。

この時に生涯忘れないであろう記憶は「鉄道は格好良い、性能の良い客車も大事たけど、それが走る線路はもっと大事」ということでした。全部大事なんですが線路がメンテナンスされていれば車両スピードは上がり、定時運行し、運行本数も増やせ、売上も積めるのに線路がダメだと全てダメなんですね。真面目にそう思い思いながら景色を眺めていました。

日本の鉄道が(最近はヒヤリハットが増えていて心配ですが)いかに凄いかを身を以て学んだ感じです。どんなことも「基礎が大事」だし「片手落ちじゃダメ」なんですね。そういうことを感じられたことが楽しかったです。

それにしてもこの路線は天下のビクトリアフォールズという世界遺産へ向かう路線にも関わらず中身としては地味なんですね。車内で売り子も居ないし、そんな会社も無いし、サービスを思いつく人がいても実行する人がいない。もーね、幾らでもビジネスチャンスが転がっている場所で、それは列車を降りて観光地を歩いても感じることですが…長くなるので別の機会に触れるとします。

ちなみに前回も今回も食堂車はナシ。連結されていたのは貨物車だけ。残念無念。

あとは…

鉄道とは関係ないけど…

現地の赤子を連れた母親のバスタオルで背中に包んだ姿も印象的でした。

(だんだん書いてる事がオッサン臭くなってますが)鉄道旅とは関係なくどこでも目にする光景なんですが、日本に限らず先進国だと「おんぶ紐は古臭い」的雰囲気で、抱っこ紐をタテだのヨコだのヒップシートだのと解説して「はいアフィリエイト」みたいなノリが普通になってますし、そんなこととは無縁のジンバブエの一般的なお母ちゃんは全員「バスタオル1枚でOK」なんですね。

駅のホームでもこんな感じ。

手を引いて、おんぶして、荷物乗せて…

背中から子どもを下ろしたらバスタオルは自分の腰に巻く姿は合理的。ベビーカーなんて1台も見ませんでしたけど…「これも経済、文化、あるがまま」なんて思いながら見ていました。

「だからどーした」的ことなんですが、これでも子は育つんですね。

やはり「生きるために食べる人」と「食べるために生きる人」の違いは一目瞭然ですから「人生で大事なことは全て旅が教えてくれる」という認識は間違ってないなぁ、なんて思う移動日でした。

ということで、ブラワヨからビクトリアフォールズへも寝台列車で移動したメモでした。もう少し詳しい内容はお目汚し動画でお楽しみください。

深夜特急 : ハラレ - ブラワヨ 寝台列車の旅
国内外に関係なく(寝台)列車の旅を贅沢に感じるタイプなんですが、「せっかくアフリカまで行くんだし1回ぐらいは鉄道旅行してみよう」ということで乗ったのがジンバブエ国営鉄道(ZRN : National Railways of Zimbabwe...

 

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